合戦の舞
< 門前博士所望分配の段 >
父盤子大王が亡くなったおり未だ母の胎内にあった五郎王子が父の遺言により下界の四人の王子に知行の配分を願う(所望分)も拒絶されいよいよ合戦で雌雄を決することとなる。天上の加茂宇治が原で東南西北方四人の王子の四十万騎、中央五郎王子率いる四十二万騎が血で血を洗う激しい戦いにいつもは清らかな川の水も血の色となるほどでそれを聞き及んだ門前博士が麒麟の駒で馳せ参じ五人の王子の仲裁を行い見事知行の分配をしてそれぞれが領地を治めることとなり天下泰平の舞を舞うという物語。門前博士の口上には十干、十二支、十二直(中段)、忌み詞(間段)など陰陽五行説通じる種々の事柄が織り込んである文言となっております。