塵倫
父に日本武尊、后に息長帯比売命(おきながたらしひめのみこと/神功皇后)をもつ仲哀天皇の物語
初代神武帝よりかぞえて14代目仲哀天皇(帯中日子命/たらしなかつひこのみこと)御代に遠い異国より数万の大軍勢が倭国(日本)に攻め入ってきました。その軍勢の総大将に塵倫という身に翼を持ち天空を駆け巡り、神通自在の妖術により人々を悩ます大悪鬼が居りました。その塵倫が率いる大軍勢によって危機に瀕しているこの国を憂いた仲哀天皇は天津神のご加護と神徳を授かった天加護弓と天破魔矢をもって、従者の安倍高麻呂とともに官軍を率いて討伐にむかいますが豊浦の宮に迎え撃ちますが、天空を巡って術を繰り出す塵倫苦しめられます。激しい戦いの末、天神地祇の加護を一身にうけた仲哀天皇は破魔矢によって見事塵倫を射抜き討ち果たして大軍勢を退けるという物語です。
下河内神楽団の塵倫は、二神一鬼の六調子で演じております。
神楽詠
紫の雲の中より現れて ろく地に降りて神とあらわす
弓矢とる人の守りの八幡山 誓いは深き石清水かな
石清水今も流れの末絶へず 濁りなき世や君を守らん